3月で卒業を迎える2年生にとって、農大最後の授業となる校長講話を行いました。昨年度、県の人事異動により農大に赴任し、今年度で県を退職する私にとって、今の2年生は、同じ時期に一緒に農大で2年間を送ったいわば同期のような存在で、感慨深いものがありました。
今回の講話のテーマは『ポストSDGsを考える』で、グローバルな視点から見た最近の社会情勢や、先行きが不透明で未来を予測することが困難な「VUCA(ブーカ)」時代という背景を踏まえ、 2030年がデッドラインとなっている「SDGs」の先に描く未来の「新たな価値観=Well-being(ウェルビーイング」についてお話をしました。
価値観の変化や働き方改革、健康経営、さらには新型コロナウイルス感染拡大といった社会的背景に、心の豊かさや幸福を重視するウェルビーイングが注目されています。優秀な人材の確保が困難な状況の中、企業も従業員のウェルビーイングを重視し、会社の経営方針の中核に据え始めています。会社や社会に手厚く守られる時代が終焉を迎え、この春新たに社会人となる2年生には、失敗を恐れず果敢にチャレンジして「自分らしく」人生を生きてほしいと願っています。